大判例

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東京高等裁判所 昭和25年(う)4697号 判決

供述調書の謄本を作成するに当り、原本には供述者本人の署名捺印があつても、その謄本には単に供述者氏名を記載するのみで、印影の表示を省略することは世上その例に乏しくはないのであり、かゝる印影省略の謄本が無効であるとか又は原本には押印がないものと推定すべきであるとはいえない。本件に於て所論曾我昌次の供述調書謄本に供述者たる曾我昌次の氏名が記載してあるのみであるが、これはその名下の印影の表示を省略したものである。この事は右供述調書作成者である副検事桜井利三郎名下にも曾我昌次同様印影の表示がないことからも推認せられるところである。従つて右謄本がその記載自体に矛盾があり、謄本の役を果さず、謄本として無効である旨主張するのは理由がない。まして所論が曾我昌次が原本に署名しているのかも疑わしく、或はその署名が偽造であるかも知れないと主張するのは独自の見解に過ぎない。故に右供述調書が刑訴第三二一条の要件を欠くとの所論は採用できない。

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